テールベルト顔料をつくる

テールベルト、緑土と言われる顔料の鉱物名に関しては、『絵画材料事典』では「セラドン石」とされているが、別の文献では「海緑石」となっていたり、あるいは両者であったりする。両者とも雲母グループの鉱物でよく似ており、さらに色味に個体差が大きく、区別がちょっと難しいところがある。この件に関しては、以下の論文が参考になるであろう。
・日本における緑色顔料「緑土」の使用について
http://www.jssscp.org/files/backnumbers/vol46_4.pdf

テールベルトとは何かという理解を深める意味で、両方の鉱物を砕いて顔料化してみる。

まずは、海緑石(グロコナイト)から砕いてみる。

モース硬度2ということで、乳棒で割りましたが、ハンマーの方がよかったかもしれない。

ある程度砕いた時点で、茶色い部分などは取り除いておいた。

あとは水簸して、仕上げ。

最終的には以下のような顔料になった。

次にセラドン石(セラドナイト)を砕く。日本でもよく採れるようである。

硬度2、比重3とは聞くものの、けっこう固くて、最初に粗く砕く段階は乳棒では歯が立たず、ハンマーを使用した。

乳鉢、乳棒で砕いてゆくと最終的に以下のような顔料ができた。

このあと水簸などの工程を経て顔料化したが、そこはそれほど大事ではないので、省略する。

左が海緑石、右がセラドン石である。国内外の専門家向け材料店でテールベルトを買うとを、確かにこのどちらかの色の顔料が届いて、どちらが本物なのかと思っていたが。しかし今回は各鉱物を1サンプル砕いただけである。何か補足事項があればコメント欄でお願い致します。

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